自己破産における弁護士の選び方について
会社の自己破産、そしてそれに伴う社長の自己破産。この場合、管財事件になるため、弁護士に自己破産の手続きを依頼する必要があります。
そこで迷うことと言えば、どの弁護士と契約するかということ。人それぞれ考え方はあると思いますが、私の考え方と実際にどうしたかを記録に残したいと思います。
■法人の顧問弁護士がいたけれど…
当時、会社として、リーガルチェックや法律相談のために、弁護士と顧問契約を結んでいました。
その弁護士事務所は、弁護士2名(1人は新人)と事務員数名の小さな弁護士事務所。顧問弁護士はとても優秀な方で、リーガルチェックなどは素早く、顧問料に対するコストパフォーマンスには秀でていました。
ただ、小規模な故かと思いますが、案件が重なっていたり、出張が重なったりすると、スピード感に欠けることもあったため、スピードを求めていた私は他の弁護士に依頼することにしました。
※他の弁護士と契約を結んだ後に、顧問弁護士の事務所を訪問し、依頼できなくて申し訳ないと伝えました。破産手続中に、顧問弁護士に確認しなければならない案件が出てくる場合がありますので、顧問弁護士とは良好な関係を築いておいた方が良いと思います。
■自己破産において、どんな弁護士を代理人にするのが良いか
人それぞれ考え方は違うと思いますが、私がオススメする弁護士は、以下の条件を満たした弁護士です。
1.自己破産の実績が豊富な弁護士事務所
私の場合、自己破産の実績が豊富な3つの弁護士事務所に相談をしました。
その際、いくつかの同じ質問をそれぞれの弁護士にしたのですが、回答が三者三様で驚いた記憶があります。
自己破産の実績が豊富な弁護士事務所であっても、見解に隔たりがあるということは、逆に言えば、何か不都合なことがあった時に、実績が豊富な弁護士事務所であれば、解釈の違いから強引に弁護してくれる可能性があることを意味します。
実績がないとそれは難しいかもしれませんが、実績があれば、ちょっとした強引なやり方も可能なはずなので、実績豊富な弁護士事務所に依頼する方が良いです。
2.ある程度の人数の弁護士を抱えた弁護士事務所
1に関連しますが、5名程度以上の弁護士を抱えた弁護士事務所に依頼するのが良いと思います。
自己破産する際に、多くの書類を提出するのですが、それらの書類は基本的に事務員が処理します。つまり、事務員が多くいる弁護士事務所に依頼すれば、スピーディーに物事が進みます。
事務員の人数は、HPに掲載されていない限り知る術がありませんが、弁護士の人数に比例するはずなので、ある程度の人数がいる弁護士事務所が良いと思います。
ただ、チェーン展開しているような大規模な弁護士事務所はやめた方が良いでしょう。事務処理化しすぎている可能性があります。
個人的には、10年以上くらいの実績があるボス弁護士が率いている弁護士事務所で、弁護士が10~20人程度いる弁護士事務所に依頼するのが良いと思います。
3.会社もしくは自宅から比較的近い位置にある弁護士事務所
自己破産の相談をした後、契約を交わす時や打ち合わせなどで、何回か弁護士事務所に行くことになります。
その際、遠い位置にある弁護士事務所は億劫。また、交通費は微々たるものかもしれませんが、ある日にち以降は交通費は自腹になります。
自腹の段階では、既にお金がほとんどない状態なので、交通費が高いのは何気に痛い。そのため、比較的近い位置にある弁護士事務所に依頼するのが良いと思います。
4.悪いことやってそうな弁護士に依頼するのが良い
一言で弁護士と言っても、真面目そうなエリート弁護士、身なりの良い小綺麗な弁護士、親身になってくれる良さそうな弁護士など、様々な弁護士がいます。
そんな中、まだ2人しか遭遇したことがありませんが、悪いことをやってそうな弁護士もいます。
そんな弁護士に遭遇したら、その弁護士に依頼するのがオススメ。自己破産に限って言えば、力になってくれます。
5.弁護士費用は個人破産分の費用が安い弁護士が良い
私の場合もそうでしたが、銀行の借り入れなどで、社長本人の連帯保証がかかっている場合が多いかと思います。そんな時は、社長本人も自己破産をします。
そこで重要なのが、弁護士費用。
法人とその法人の社長の自己破産の場合、多くの弁護士事務所は、法人◯万円、経営者◯万円という風な弁護士費用を設定しています。(まとめて◯万円みたいな弁護士事務所もあります)
つまり、法人の弁護士費用は、法人のお金で支払い、個人の弁護士費用は個人のお金で支払うのです。
法人のお金は誤魔化すことができないので、自己破産後の復活を考えるなら、個人の弁護士費用が安い弁護士事務所に依頼するのが良いと思います。合計金額で見るのではなく、個人分がいかに安いかというのが重要です。